2009年 10月 20日
ご近所の酒蔵 菊司醸造
今まで近所に酒蔵があるところになんて住んだことがなかったので、「ご近所の酒蔵」ってフレーズにちょっと酔いしれてます。(笑)
近鉄線の小さな駅の小さな踏切を渡った所にある小さな酒蔵。
創業1705年と言いますから、300年以上も続いている酒蔵です。
どんな事から話が進んだのかは忘れてしまいましたが、県こそは違いますが割りとご近所に住んでいらっしゃるとおぼしきトムソウヤさんが「ここの奈良漬はおいしいよ~」と教えてくれたのです。
菊司醸造さんに行かれた時に写真まで撮ってきてくださり、ブログの記事にアップされ、しかもそのブログの記事のタイトルは「楽子さんへ」。
ひゃーっいきなりタイトルに宛名を入れていただいたのは初めてです!(笑)
あまり知られていませんが、実は奈良って清酒発祥の地なんですよ~。
酒処として奈良県を思い浮かべる方って滅多にいないと思いますが、こちらを見ていただくと分かるように酒蔵もとても多いのです。
昔から奈良はお米が全国平均よりもたくさん収穫できるところであったことも影響しているのではないかと思いますが、平城宮跡からもいろいろな種類のお酒の木簡が出土しています。
現在飲まれているような清酒が造られるようになったのはそのもう少し後の、酒造りが朝廷主導から寺院主導に移った頃なのだそうですが、そんな「僧坊酒」の中でも奈良市にある正歴寺のものは長きに渡り有名だったのだそうですよ~。
奈良は鹿と大仏だけではないんですっ!!(笑)
若女将さんがと~っても感じの良い方で、そんなに日本酒に詳しくない私にもいろいろと教えて下さいました。
少し前までは先代と今の杜氏でお酒を造られていたのだそうですが、数年前に先代が亡くなられてからは若女将さんの旦那様が杜氏となられおひとりで酒造りをされているのだそうです。
すごい…お庭に石碑がある!
母屋もとても趣がありますよね~。
お酒は奈良県産の山田錦と言う酒造好適米と、生駒山系のやや硬質な天然水である井戸水をろ過せずに使用。
小仕込を生かし、上槽は全て昔ながらの「木槽」搾り。
また55%精米以上の酒は袋吊り斗瓶取り。
この近くには芭蕉も通ったという「暗峠(くらがりとうげ)」と言う生駒山地における難所があり、そこから名付けられたお酒の名前です。
すっきりとしたとても飲みやすい日本酒です。
気に入ってます♪
今まであまり日本酒って飲まなかったのだけれど、今は割りとすっきりとしたお酒が多いと言うこともありとても飲みやすく、我が家でも和食っぽいメニューの時には日本酒も登場するようになりました。
奈良漬用の酒粕です。
最初に訪ねたときからこの「踏込粕」の普通の酒粕とは違う色合いと柔らかさが気になっており、お聞きしたところ漬物用だと。
奈良漬と言うのは野菜を塩漬けしてから酒粕に漬け変えて作るのだけれど、その酒粕に漬けるのも何度も何度も漬け変えをして何年もかけてあの奈良漬特有の色合いと風味を出すのですよね。
ご存知のように酒粕と言うのは日本酒を絞った後に残るもの。
それは発酵しているので、そのまま野菜を漬けていると発酵により熱が発生し野菜が腐ってしまうのです。(常温の場合)
なので、発酵が止まるまで、半年程度かけて樽の中で寝かせた酒粕が踏込粕。
発酵が止まっているので常温保存でOKです。
香りも普通の酒粕よりもマイルド。
「今はあまり奈良漬を家で作る人も減っちゃったから買う人も少なくなったわ」とおっしゃっていました。
うふふ、でもこういうものを見ると購入せずにはいられない私。
もちろん買いましたとも♪
そんな踏込粕で漬けたものなども追々ご紹介できればな~と思ってます。
こちらのブログ村に参加しています。
へぇ~奈良が清酒発祥の地だとは初耳だったわ~って方、
↓クリックしていただけると嬉しいです。(●^o^●)