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東大寺万灯供養会と大文字送り火

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(写真提供:ミッキー)
何しろ、こう暑いと夜の外出ばかりが続く我が家ですので、記事も夜のものが続きます…。^_^;
一つ前の平城京跡の記事と時期が前後しますが、その前の週の日曜日、前々日の燈花会に続き、奈良の街へ繰り出した我が夫婦。
目指すは、いざ、東大寺!!

この盂蘭盆(うらぼん)最終日である8月15日、東大寺大仏殿では万灯供養会(まんとうくようえ)が毎年行なわれます。
その前々週から燈花会があり、前日14日から15日にかけては東大寺のお向かいの春日大社でも万燈会があり、ほーんとに奈良の街はあちらこちらで蝋燭のゆらゆらと揺れる灯りでオレンジ色に染まります♪

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(写真提供:ミッキー)
万灯供養会が始まる19時頃に東大寺の南大門の辺りにたどり着いたのですが、あぁ何と言う事でしょう!!
この、人の、波、波、波…!!!
隣では既に夫はげんなり…。^_^;
この日は南大門はくぐれないようになっていて、南大門の横の道から参道に入るようになっています。

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(写真提供:ミッキー)人の列はそれでも進んで行きますので、そんなに待たずに南大門をすり抜けて参道に入りましたが、またまたここでもすごい人…。
今年の燈花会も今までで最高の人出だったとのことで、確かにどこに行っても大混雑でしたが、この日の人は何しろ全員が東大寺大仏殿を目指していると言っても過言ではないのですから、このような人の波となってしまうのでしょう。

3月に東大寺の二月堂にて行なわれる「お水取り」もそれはそれはすごい人で、甘く見ていた私たちは二月堂からは遠い高台の駐車場より、松明の灯りを小さく眺めることしか出来なかったのですけれど、やはり東大寺と言うのは奈良の中でも特別なところなのだなぁ。
東大寺関連の行事には奈良だけでなく全国各地からたくさんの人が訪れるようです。
夫と2人、「やっぱりなんだかんだ言っても奈良は大仏と鹿なんだよ…」(ほんとはね、素敵な場所はもっとたくさんあるのだけれど~~~)と妙に納得しながら汗を拭き拭き並びました。

なんだかんだで30分程度並んだでしょうか。
やっと中門をくぐることができた!!(嬉)

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(写真提供:ミッキー)そして正面に大きく見える東大寺大仏殿。
何がすごいって、まずはこの日の大仏殿では、観相窓が開いていて、そこから大仏様のお顔を拝見することができるということ。

普段この窓は閉まっており、大仏殿の中に入って大仏様を見上げる形となるのですけれど、一年に二度、このお盆の15日と大晦日の日にはこの窓が開くのです。
とはいえ、実は今年は13日、14日の燈花会の会期中にも大仏殿の夜間拝観が行なわれており、その日も観相窓が開いていて、私はもうびっくりして近くにいた警察官の方を掴まえて「どうして~~~」と聞いてしまったのですが、今年は特別のことのようです。
昨年、この窓から大仏様が拝見出来ることを知り、大晦日は帰省してしまうのでまず無理だから、絶対にお盆にはここを訪れよう♪と決めてとっても楽しみにしていた私。
この江戸時代に建てられた大仏殿は世界最大級の木造建築と言われているだけあり、ほんとうに大きな建物なのですけれど、その建物のこの位置の窓から顔を覗かせている、その大仏様の大きさを想像してみてください♪
これがね~~~、見たかったのよ。
建物にこんな風に窓をつけたと言う、その建築設計のセンスが素晴らしく、そしてそんな風に設計し建ててくれたことに大感謝♪
すごいでしょ~、こんなに大きな建物の中にこんなに大きな大仏様がいらっしゃって、そしてそれを外からこんな風に眺めることができるのですから!

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(写真提供:ミッキー)
大仏殿へ続く道の左右両側と真ん中、そして大仏殿の正面に建物に沿うように並んでいる灯籠。
この灯籠の数は約2500基。
一つの灯籠の中には4つの灯りが入っているので、それで灯明の数は1万となるそうです。

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(写真提供:ミッキー)
大仏殿の建物前にもこんな風にびっしりと並ぶ灯籠。
そのひとつひとつがゆらゆらとオレンジ色に揺らめき、ほんとうに美しい。
夫には「燈花会の時に窓から大仏様の顔見たんだからもういいんじゃない?」なんて言われてたんですが、やっぱり来てよかった♪

ゆらゆらと揺らめく灯りの中でたたずんでいると、いよいよ大仏殿の中では東大寺のたくさんのお坊さん達の「華厳経」の読誦がはじまりました。
これがまた素晴らしいんですよ~~~。
大勢のお坊さんの力強い声が大仏殿とその周辺に響き、この夜の空気が震えるほどずーんと響いてくるんです。
本当は大仏殿内に入りたかったのですが、この日のこの時間の人波によって、大仏殿内はかなりの暑さになっていて、そして一度入ったら一周して出てくるのに20分はかかりますと案内があったので、断念した私たち。
外でこの読誦をしっかりと聞かせていただきました。

この東大寺の万灯供養会は、お盆に帰省できない人たちにも先祖の供養をしてもらえるようにとの主旨で昭和60年からはじめられたもの。
な~んか、こういうところにも奈良の懐の深さと優しさを感じるよな~~~。

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(写真提供:ミッキー)そんなことを思いつつ、大仏殿前に佇み、ふと夜空を見上げると満月がぽっかり。
しみじみ来てよかったな~と感じた瞬間。

そんなわけで大仏殿内には入らなかった私たちは、大混雑から逃れるように大仏殿の横から敷地の外に出ました。
と、そこで時計を見てみるに、時間は8時ほんの少し前。
これってこれって、まだ間に合う!!

この日、この大仏殿参拝の他に、8時から高円山では大文字送り火が執り行われるのです。
こちらも見る気満々で奈良の街に出た私たちなんですが、何しろ東大寺の予想以上の混み具合、並び具合で、時間も押せ押せだしもう無理だね…と諦めていたんです。
去年は、我が家のベランダから小さく光「大」の字を見たのですけれど、やはり今年は近くで見たい!
で、何とか間に合いそうなので、ここでまた警備員さんにどこに行けばよく見られるのかお聞きして、そこまで走る、走る!!
えぇ…、酷暑の中、夜の東大寺と奈良公園内を走りました!(汗)

たどり着いたのは、飛火野。
奈良公園の中でも、ちょうど東大寺とも春日大社とも接するような位置。

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見えた!!
これが奈良の大文字送り火。
やったー♪去年うちから見た「大」の字よりも格段に大きい!!(笑)
感動♪♪

この奈良の大文字送り火は、奈良県内の戦没者役三万人の慰霊と供養を目的に、恒久平和を祈念する行事として昭和35年より開始されたもの。
大文字点火に先立ち、ここ飛火野では神式と仏式の両方で慰霊祭が行なわれます。
「大」の字を形作る火床の数は、人間の煩悩と同じく108つあり、 「大」の大きさは、第一画目が109m,第二画目が164m,第三画目が128にて、日本最大級を誇っているのだとか。
大変有名な京都の大文字送り火よりは歴史も浅く、また知名度も格段に低いですが、奈良の大文字は奈良らしくひっそりと、しかし雄大に行なわれているのです。

ここ飛火野にて大文字を見ましたが、市内各所よりこの送り火を見ることが出来るそうで(何しろ市外である我が家からでも見ることが出来るくらいですから)、この飛火野に三脚おじさんがいなかったことを鑑みるに、ベストショットポイントは別にあると思われます。
奈良のいろいろな行事の際には、三脚と立派なカメラを持った三脚おじさんが多数来られており、大体その三脚おじさんの後をついていくと写真を撮るのに良いポイントにたどりつくのですよ~。(笑)
大好きな浮見堂をバックに大の字が浮かぶ写真を見たこともあるし、今年はここが大仏殿からは一番近く、時間的にここで見るのがベストだったかと思いますが、来年はまた違うポイントを開拓したい♪

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ベンチに座ってボーっと大文字を見ていた、私たちのその前には、鹿ちゃんたちがこんなに沢山、のんびり休んでいました。
ここ、飛火野は奈良公園の中でも鹿が多いポイントですからね。
鹿と一緒に見る大文字もオツなものです!!

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8月15日、盂蘭盆の夜。
沢山の灯籠と大仏様と荘厳な空気、そして送り火。
素敵な満月の一夜でした♪


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by rakurakurakuko | 2010-08-28 16:33 | こんなところに行って来ました