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生の胡椒の実

ひとつ前で記事にした、タイフェスティバル名古屋。
そこで買ってきたもののうちのひとつがこちら。

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生の胡椒の実です。
タイ語で言うと、プリックタイオーン。
プリックは唐辛子の意味だと思うので、胡椒も似たものなんですね。
唐辛子と胡椒はどちらも辛いけれど、お味には随分違いがあるのではないかな~とは思うものの、日本でも「柚子胡椒」と言う場合の「胡椒」は唐辛子のことですものね。

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房のように丸い胡椒の実がついており、多分これは枝からしごいて実を取るということでしょう。
山椒の実の時にも手でしごいて取ったほうが良いか、それともはさみでチョキチョキ切っていったほうがいいかいつも迷いますが、はさみを手にしてみたものの、胡椒の実は枝にピッチリとついているのでハサミの刃が間に入る隙間はありませんでした。
地道にプチプチ手で外していきました。

これね、今後これをやるかも知れない人への注意点として、素手ではなく出来ればビニールの手袋などをはめてやったほうがいいかも!
チリを素手で触った時のように手が熱くなるということではなく、なんかね、アクみたいなのがあるんですよ。
しごいた指先が少し黒くなり、それは実についていた汚れかしらと思っていたけど、お風呂に入ってもなかなか落ちませんでした。

さて、そうして枝から外しよーく洗った胡椒の実。
これで是非作りたいものがあったのです。

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それがこちら。
胡椒の実の佃煮。

ずーっと昔、もちろんまだ結婚もしてなくて、休みを取ってはあっちこっちへ潜りたい放題の旅に出ていた頃。
ミクロネシアのポナペと言う島にブラックマンタを見るべくダイビングに行き、そこで胡椒の実の佃煮と言うものに出逢ったのです。
ポナペの胡椒は香りがよく、世界一美味しいとも言われていますが(あの辺り一帯、パラオの胡椒もそのように言われているので真実は分からず…笑)、もう明日には日本に帰ると言う日、買い物に行くのに車に乗せてくれたダイビングサービスの人から胡椒の実の佃煮と言うのが絶品だと聞いたのです。
どこで食べられるのかと聞くと、地元の人で佃煮を作っている人がいて予約すれば作ってくれるらしく、普通の店では売っていないということ。
売ってないとなるとますます食べたくなるのが人の常。(笑)
「食べたいなぁ」オーラを出しまくっていたところ、近々日本に帰るスタッフがいるので、その時でよければ持ち帰って日本から宅急便で自宅に送ってもいいよと言うので、早速お願いした、そんな胡椒の実の佃煮。
もう10年以上、下手すると20年くらいも前のことなので何となくしか覚えていませんが、その後1ヶ月くらいして約束通り胡椒の実の佃煮が送られてきて、ご飯にのっけてハフハフ食べた覚えがあります。
その時は「ただの友達」だった夫も一緒だったのですが、夫も送ってもらったはずですが、覚えているんだかいないんだか…。(笑)

その味を再現したく、作ってみた胡椒の実の佃煮。
作り方は適当。(^^ゞ
鍋に胡椒の実と、日本酒・みりん・醤油(これらの調味料はほぼ同量くらいずつ)を入れて、くつくつ弱火で水分が少なくなるまで煮て出来上がり。
もともと香辛料として生で食べられるものなので、好みの濃さのお味になり水分が少なくなれば煮込む時間は長くても少なくてもどちらでもいいように思います。
多分私は5~10分くらい煮たかな。

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胡椒の実は一袋しか買ってこなかったので(あぁもっと買ってくればよかったと今ちょっと後悔してます)、そしてそのうちの半分はもう一つのモノに使ってしまったので、半袋分の胡椒の実で出来た佃煮はこんなに少し。(笑)

早速炊きたてご飯にのせていただきます。

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これこれ、このお味~♪♪
一瞬そんなに辛くないんだけれど、後からじんわりくる辛味。
そして旨み。
香りこそ違えど、何となく山椒の実の佃煮を彷彿とさせるものがあります。
山椒が手に入らない国に住んでいる人は、胡椒の実で代用と言うのもアリではないかしらん。
胡椒と白米なんてイマイチっぽいと一瞬思いますが、これがね、とっても美味しいのです。
意外や意外の和食にも合うお味。

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そしてクリームチーズにものせてみました。
これはこれで美味しいけれど、やっぱりご飯にのせたほうがおいしい!!
と言うのも、温かいものにのせたほうが胡椒の香りがふんわりと香るんですよね。
これも美味しいけどね、でもやっぱりご飯がいい!

あーこの量ではあっという間になくなってしまうのが悲しい…。

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で、残り半分の胡椒の実はより長く保存すぺく、そしてタイフェスで買ったのですからタイ料理にも使うべく、塩水漬けにしてみました。

水に塩を溶かして海水程度の濃さにし、そこに生の胡椒の実を漬けておくと、何ヶ月も冷蔵庫で保存できると言うのです。
これだけをガリガリ食べるわけでもないので少し濃い目でも良いわと、海水よりもうんとからい塩水に漬けました。

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今晩、これを使って作ってみた、タイ風挽肉ディップ。

フライパンにニンニクのみじん切りとパクチーの根のみじん切りと油を入れて弱火で香りが出るまで炒め、そこに予め日本酒を少々振ってほぐしておいた豚挽肉を加えてポロポロになるまで炒めて、新タマネギのみじん切りと赤パプリカとトマトのみじん切りを加えてさらに炒め、それらをちょいとフライパンの端っこに寄せて、空いたスペースでナムプリックパオ(チリインオイル)を炒めて香りを出し、塩水漬けの胡椒の実たっぷりと極々細切りにしたこぶみかんの葉を加え、ナンプラーとシーズニングソースも加えて全体を混ぜ合わせ、水分がなくなるくらいまで炒め煮して出来上がり。
創作料理なのでこんな料理がタイ料理にあるかどうかはわかりませんが(爆)、いろんな香りがプンプンで食べる前からおいしそう♪

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山盛りにしたサニーレタスにこのディップをのっけて、くるんでいただきました。

あまりに山盛りのサニーレタスの量に恐れおののいていた我が夫ですが、結局はレタスおかわりまでしまして(笑)おいしい、おいしいと言って食べてました。
かなりたっぷり胡椒の実を入れたんですが、そんなに辛くなく、噛むと辛さと言うよりはなんだか爽やかさが広がる感じです。

佃煮があまりに美味しかったので、「あー全部佃煮にすればよかった…」と後悔しかけていたんですが、塩水漬けもこれまた使えるやつでした。

タイフェスの記事で、フランスに住むタヌ子さんが、「こちらでは生の胡椒の実が手に入る」とおっしゃっていたので、意外といろんな地域で使われている食材なのかもしれません。
日本だとスパイスとして売っている乾いている胡椒の実しか見かけませんからね。
気候の関係でなかなか日本国内で作るのは難しいのでしょうけれど、東南アジア辺りから輸入して店頭に並べたら、これは結構いけるのではないかしらと思います。
意外といろいろな用途に使えるし、意外とそんなに辛くないし、使い方さえ分かれば結構重宝でおいしいものだと思うんですよね。
今時のスーパーは輸入食材も多く扱っていますしね。
そんな中のひとつに是非、生の胡椒の実と言うのを加えてほしいな~と願う私なのでした。

そしてこの生胡椒の実を食べて、あのポナペの海を思い出し、また行きたくなった私。
ブラックマンタも噂に違わずいっぱいいたし、木彫りの村を見学して買い物したり(その時の木彫りが今もうちに飾ってあります。私も買ったし夫も買ったので結婚したらポナペの木彫りが増えました(笑))、マングローブが生い茂るようなところを探検みたいにボートで進んだり、地元の子が遊んでた滝で一緒に滝に打たれて遊んだり、遺跡を見たりと盛りだくさんで楽しかったポナペ。
今もあのまま素朴な姿で残ってくれていればいいなぁ。
あぁまた行けたら、今度は山ほど佃煮買ってきたいです。(爆)




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by rakurakurakuko | 2012-06-02 01:16 | 保存食作り