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2006年9月に読んだ本

ああ゛…、なぜかもう月末…。
月初を目標にアップする予定の先月読んだ本、20日超の時を越え、今更ですがご紹介いたしますぅ~~~。(^^ゞ


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「クライマーズ・ハイ」 横山秀夫

実はこの本、特に期待もせずに、本屋さんでうろうろしてて他にめぼしい本が見つからなかったので買っただけだったんですが、いや~~~かなりのヒットです!!
私の読書タイムは通勤の電車内、しかも夕方の帰り限定なんですが(朝の通勤時間は貴重な睡眠時間なの(^^ゞ)、それでも座席に座れてしまったりすると読みながらうとうとしてしまうことも多く…。
とっところが、この本に至っては全く眠くなることがなかった!!
しっかり自宅最寄り駅まで読みふける毎日でした。

クライマーズ・ハイというタイトルから、手に取るまではなぜか登山家の友情物語と思っていたけれど、これはあの1985年に群馬県の御巣鷹山に墜落した飛行機墜落事故を題材にした物語。
その地元群馬の新聞社の記者である悠木が主人公となり、この未曾有の航空機事故の報道現場が生々しく描かれています。
事故の描写や、その事故を追う新聞社や警察との関係などがとても細かくリアルに描かれているのは、この作者である横山秀夫が当時、地元群馬の上毛新聞の記者であったということを聞くとなるほど~と思います。

1985年と言えば、私が社会人になった翌年。
坂本九ちゃんが亡くなられ、奇跡的に助かった女の子が自衛隊のヘリに吊り上げられて救助されている姿もよく覚えてる…。
だからこそ尚更、この小説を読んで引き込まれいってしまったのかもしれません。

終盤近くで、この悠木がこのまま会社に残るか、辞めるかという決断をしなければならない場面があるのですが、そこでの同僚や部下からのひとことに、いや~~~いつもは割と淡々と読み進めるタイプの私も(夫に言わせると私はいつも眉間に皺を寄せて読書しているらしいけど…)、電車の中にも関わらず思わず「じ~~~ん」となってしまいました!
電車の中で一人でうるうるしてしまった~~~~。(ToT)

今年読んだ中で一番よかったな~と思った小説です。


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「出口のない海」 横山秀夫

「クライマーズ・ハイ」があまりに良かったので、続けて読んだ横山秀夫。
第二次世界大戦のときに実際に使われた人間魚雷「回天」にまつわる物語。
あんまり戦争モノって好きじゃないんだけど、そしてどうやらその主人公は大学野球部員で青春物語的なところも含まれるらしく、それもイマイチ気分じゃないんだけど、でもあの「クライマーズ・ハイ」の横山秀夫だからね~。

結果、これまた素晴らしい!!!
「回天」という特攻兵器があったことすら知らなかったけれど、これはもうあまりにむごい…。
それに乗ることになってしまった元甲子園優勝投手でその後大学野球に進んだ主人公。
学徒出陣により海軍へ仕官したときも、「回天」に乗ることになったときも、最後まで死を目標に生きることができなかった主人公並木。
皆が平常心ではいられなかったその特攻隊の中で、果たしてこのような考えを保って生きていける人がいたのかどうかはよくわからないけれど、この主人公の心境が現代人にも置き換えられるように書かれているのが、個人的にはよかった。

真っ暗な身動きも出来ない空間の中で、最後に並木が書いた手紙が2通あるのだけれど、これがこの小説をただの戦争小説ではなく、そう言ってはいけないのかもしれないけれど爽やかに締めくくっていると思う。
ここまではとてもよかったのだけれど、その後の展開があまりに出来すぎで蛇足のように思え、ぐっとくる小説だっただけにちょっと残念でした。


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by rakurakurakuko | 2006-10-23 23:57 | 楽子の本棚