2008年4月に読んだ本

なにやらバタバタとしているうちに過ぎてしまった4月。
あまりに時間の過ぎるのが早いのは果たして年のせいなのか、それとも私が諸々のことをする要領が悪すぎるのかと、真剣に考えてしまう今日この頃。
そんな中、何とか通勤時の読書だけは変わらず続けております。


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「くさいはうまい」 小泉武夫


この本、本屋で見かけてはなんとな~く気になっていたんですよね。
少し前にmeloさんがちょうどこの本を読んでいると聞き、これはやっぱり読むべきだわと思っていたところ、買う前に図書館で見つけたので借りて読んでみました。

小泉武夫さんは東京農大の教授なんですね。
あぁ…、もやしもん以来、憧れの農大♡
専門は醸造学・発酵学で、その研究のためもあり世界の発酵食品を食べ歩いていているという無類の臭いもの好きなんだそうです。

もやしもんに出てきたシュール・ストレンミングも、ホンオ・フェもキビヤックももちろんこの中に出てきます。
シュール・ストレーミングは小泉さんが今まで食べてこられた発酵食品の中でも最も強烈なにおいのする食べ物だと言うし、ホンオ・フェに至っては強烈なアンモニア臭に気絶寸前の状態に陥ってしまったそうです。
百戦錬磨の小泉さんにしてそうなってしまう食べ物って一体どんななのでしょうと思うと共に、それだけ臭いのにおいしいって事実に驚愕です。

そんな世界の発酵食品も沢山紹介されていますが、日本独自のもの、納豆、味噌、塩辛、麹、かつお節などなども詳しく楽しく紹介されています。
普段食べなれているものが余計にいとおしくなり、そしてそんな効果もあったのかーと発酵食のエラさに感動さえします。

最後の章は、哲学者である中村雄二郎さんとの対談となっているのですが、その中でなるほどなぁと思った中村さんの言葉がひとつ。
日本語で「におい」と言う字を書くときに「臭い」と書くとなんとなく違う気がしてこまってしまい、いつもひらがなでにおいと書いているとありました。
「臭い」というのはにおいのある部分を蔑視しているわけで、そんなに臭い部分だけを取り除いていいにおいだけにしようとしていると、人間の味覚能力が駄目になっていってしまうのではないかとおっしゃっていました。
それに大して小泉さんが、褒め言葉で「あいつは人間臭いやつだ」とは言うけど「あいつは人間の香りのするやつだ」とは決して言わないことからも臭みというのは本来とても大切なものなんだと。
うむむ、確かにそうだわ~。
においという言葉を「臭い」「匂い」と両方の感じを使って書くことができるけど、発酵食全般に使うとしたらどう考えても「臭い」というほうを使いたいし、それもいいものなんだよ~と少しずつ思えるようになっていきたいわと思った私なのでした。


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「償い」 矢口敦子


矢口敦子さんと言う作家の名前をはじめて知ったのだけれど、帯につられてつい買ってしまった本。
「人の肉体を殺したら罰せられるのに、人の心を殺しても罰せられないのですか」
このひと言で読みたくなって買ってしまったのです。

主人公の日高は元医師で今はホームレスになっていると言う設定。
仕事に忙しく出世もしたかったので家庭のことを顧みず働き、子供が病死してしまったのもその後妻が自殺してしまったのも全部自分のせいなのだと思い、人生に絶望してしまっている男。
そんな日高が殺人事件に関わることになり、以前自分が命を救ったことがある男の子と出会い親しくなるにつれ、その男の子が事件の犯人ではないかと疑うようになる。
そんな殺人者になってしまった(と思っている)子供を果たして助けてしまったことはよかったのだろうかと思い悩み、また妻と子の死は自分のせいであり、妻の心を傷つけ結果として死に追いやってしまった自分もまた殺人者ではないかと悩む。
これが帯にある「人の肉体を殺したら罰せられるのに、人の心を殺しても罰せられないのですか」となるのだけれど、これがこの小説のテーマだとするとイマイチ私には気持ちが伝わってこなかったな~。

多分、人物設定や事件との関わりなどに無理があるのではないかな。
そういうことが全くないと言うわけではないけれど、あまりにも偶然が重なっていたり、思い悩む割にはやたらと好奇心旺盛に動く主人公にどうしても感情移入できないのです。
ちょっと気張って書きすぎちゃってるのかもしれませんね。
400ページを超える長編であるにも関わらずスイスイと読み進められて決して面白くないわけではないだけに、ちょっと惜しい気がします。


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「メドゥサ、鏡をごらん」 井上夢人


「ダレカガナカニイル」に続き、やたらとオカルトチックな表紙ですね~。
内容もまぁオカルトチックというかホラーと言う分類に入ってもよいような感じ。
ミステリーなんだけれど途中からホラー度が高くなる小説。

作家、藤井陽造がコンクリートで自らを固めて自殺し、傍らには「メドゥサを見た」と言うメモが残っていたということからはじまるこの話。
主人公はその藤井陽造の娘の婚約者で、藤井の最後の原稿を探すことを頼まれたことから不可思議なことが自分の周りでおこるようになってしまった。
巻き込まれていく様にぐいぐいとひきつけられてしまいホントにあっという間に読めてしまうのです。
特に時空がねじれにねじれていく様が、その書かれ方が素晴らしく、あぁやっぱり井上夢人というのはストーリー作りの天才だよな~と思った私。
あまりのねじれ具合に一体どのようにして決着を見るのかとワクワクしながら読み進んだら、なんと何の決着もありませんでした…。
ほんとにほんとにすごーく面白かったのに、どーして最後がこうなのか!と肩透かしをくらった気分。
あまりにねじれすぎて自分でもどーにもできなくなっちゃったんでしょうか。
井上夢人たる方、そんなんじゃなくてこの肩透かしにも何か意図があるんでしょーか。
うむむ、謎です…。

文末の解説を書いているのが池波志乃さんなのですが、池波さんは井上夢人の作品の中でこの「メドゥサ~」が一番好きなのだそうで、本人に会ったときにそのことを伝えたら「え~?珍しいですね」と言われたのだそうです。
ってことは、やはり自分でもどーにもできなくなっちゃった説もありってことかしら。
でもね、もしそうだとしてもやっぱり私は井上夢人の小説って好きだし、センスあるなぁって思っちゃうのですよね。
だからこれが最後に投げ出しちゃった終わり方だっていいんです。
そんな脱力系もいいんじゃないのって思うのはファンだから?
だけどこの小説がベストってことは池波さんには悪いけど絶対にありえないわ~。


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GWの沖縄から帰ってきて、只今うちの中は沖縄の食材であふれております!
嬉しいな~。

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市場で買ってきた伊江島産島らっきょうをおととい塩漬けにして、今晩はこれで一杯♪
島らっきょうが見えなくなるくらいおかかをかけて混ぜて食べるとすごーくおいしいんだよね~。
小泉教授ではないけれど、くさいはうまい!と叫びたい!

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そしてキッチンのカウンターにはぶらんぶらんとぶら下がる島バナナ。
南国化する我が家、ばんざーい!
ちなみにこの島バナナは皮が真っ黒になるくらいまで放っておいてから食べると、酸味とねっとり具合が最高なのです♡
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Commented by tuguki3964 at 2008-05-11 07:29
小泉先生LOVE!
今回の帰省では、“不味い!” と言う本を買ってきました。
まだ、何だか慌ただしい日々で、目次も眺めていないのですが、小泉先生が何を不味いと思うのか、とっても楽しみです。

島ラッキョウもLOVE!
沖縄、いいなぁ~!
Commented by mekabusan at 2008-05-11 11:35 x
楽子さん おかえりなさーい
GWは、楽しく過ごせたようですねー。
沖縄のお土産話も楽しみです。
そういえば、うちも今日、島らっきょう食べるとこでした。
いーなー、沖縄!
Commented by syo-kunin at 2008-05-11 22:25
楽子さん、こんばんわ。。。

沖縄、良いですよね!
番長も20数年前、久米島で働いてました(笑)

オリオンビ-ルと久米仙を毎日飲み(笑)
しまんちゅうからは、ないちゃ~の奴とか言われ・・・

でも、心を開くと家族みたいに仲良くて(笑)
青い海が仕事場でしたね~!!
Commented by ira1027 at 2008-05-12 00:40
楽子さん、お帰りなさい~♪
沖縄の海で人魚になってみえたんですね ^^
島ラッキョウ、美味しいですね。
島バナナってのもあるんだ~@@

>くさいはうまい
以前、熊さんが読んでシュール・ストレンミングやくさやの話をしてたんですけど、その時は「ふーーーん」って流してた私。
でも今になって・・・そしてこちらへお邪魔したら・・・やっぱ読みた~~い。読んでみます。

そして、「償い」・・・ドキ@@
これ、図書館で土曜日に借りてきたばっかりなんです!
なんちゅ~タイミング。まだ半分くらいなんで、この部分だけ、楽子さんの日記、薄眼で読んどきました(笑)
今から続き行ってみま~す。
Commented by poronliha at 2008-05-12 03:24
私も“もやしもん”読んでさらに発酵に興味津々です。ちょーおもしろいですよ!本当、紹介してくれてありがとうございます。
“くさいはうまい”もちょっと気になってたんですけど、もやしもんを読も前だったから買わなかった・・・あ、今になってちょっと読んでみたくなりました。
沖縄、一度はいってみたいところです。夫も興味があるらしく、いつかは!って言ってるけど、難しい。東京からだとちょっと遠いし、お金もかかるんですよね。
Commented by hiromin-happy at 2008-05-12 09:48
楽子さん、おかえりなさ~い!沖縄に行かれてただなんて、羨ましいです~^^楽しかったようですね~♪
楽子さんは、お勤めもされてるんですね!こんなにお料理上手で、家事とお仕事と両立されていて、本当にすごいな~って思っちゃいました。。
私は、最近読書をしてなくて、反省です^^;。。家の近くに本屋さんが無いのもあるんですけど、前より読まなくなっちゃいました。
でも、この記事読んだら、また興味がわいてきたので、本屋さん行ってみます~^^♪
Commented by Rakurakurakuko at 2008-05-12 16:13
tugukiさんもやはり小泉先生LOVEですか~!(あ~やっぱり~♪って感じです!)
「不味い」、私も気になってたんですよね!
ほーんと、どういう基準の不味いなんでしょうね~。

島らっきょう、連日食べてます。^_^;
荷物として持ち帰ってきたときにはその荷物からも臭さが漂ってました~。
もちろん持って歩いていたのは夫です。^_^;

Commented by Rakurakurakuko at 2008-05-12 16:15
mekabusanちも島らっきょう?
おんなじ塩漬けかなぁ。
前日は天ぷらにして食べたのだけれど、臭さは熱を通さない塩漬けのほうが臭くておいしい!
今年のGWの沖縄は例年になく暖かく、なんだか海の中も夏みたいでした。
早く写真整理して記事もアップしたいと思いまーす!
Commented by Rakurakurakuko at 2008-05-12 16:19
なんとなんと、赤飯番長さん、久米島で働いていたことがあるんですか~。
20数年前にはかないませんが、私も20年近く前半年間だけでしたが慶良間の阿嘉島で働いていたことがあります♪

青い海が目の前の仕事場っていいですよね!
あぁあの頃は若かったからか泡盛もいくら飲んでもシークワーサーで割れば絶対に翌日に残らないという変な自信がありました…。(遠い目)
沖縄のフレンドリーな雰囲気って最高ですよね~。
Commented by Rakurakurakuko at 2008-05-12 16:24
いらさん、なんと「償い」読まれているのですか~。
私はこの方の本を読むのは初めてだったけど、もう少し何冊も書かれる様になれば、人気作家になるのではないかしらと思いました。(って私がエラそーに言うことでもないんですが…汗)
「くさいはうまい」は絶対にお勧めですよ~。
なんとなーくリアルなもやしもんの世界って感じです。
そうそう、「もやしもん」、漫画の手塚治虫文化賞受賞しましたね~。
新聞で初めて作者の石川さん見てあまりの若さにびっくりしました!

島バナナってモンキーバナナみたいなのです。
小さくて皮が薄くて酸味があって、普通のバナナはあまり好きじゃないんですけどこれは大好きなのです♪
Commented by Rakurakurakuko at 2008-05-12 16:27
poronlihaさん、もしやあれからすぐに「もやしもん」日本から送ってもらったんですか~?
ねっねっ、すっごくオモシロイでしょ♪
何でも7巻は今年の秋に発売されるそうなので今からとっても楽しみなんです。
もやしもんを読んだ後のくさいはうまいは最高ですよ~。
もやしもんに出てくる教授がなんだか小泉さんのような気さえしてきます。

旦那様も沖縄に興味ありなんですか?
今度帰国の際には是非!と思いますが、確かに日本国内の移動って結構高くつくんですよね…。
格安のチケットを見つけて行けたらいいですね~。
Commented by Rakurakurakuko at 2008-05-12 16:30
happyさん、そうなんですよ~、一応(たいした仕事はしてないけど…笑)お勤めしてるんです~!
なので家だとなかなか時間がとれず、通勤途上の読書となります。
って言うか多分通勤時間があるからこそ読めているのかも!

家事はですね~、かなり手抜きもあります…。^_^;
料理だって超簡単なものですませてしまうことも多々あるし、掃除などに至っては「人間ほこりで死ぬことはない」をモットーに見ないふりして日々過ごしております。(爆)
Commented by kago-fp at 2008-05-13 00:09
楽子さん、「もやしもん」読みましたよ~。以前からキビヤックってそんな食べ物、オソロシイぞーと思っていたのですが、それが出て来て、めちゃくちゃ笑えました。臭いはうまい、たしかにそうですし、そこに食文化の深さ、おもしろさを感じますね。
「もやしもん」続けて読みたいと思います。おもしろい本をご紹介いただいてありがとうございました♪
Commented by アヤナー at 2008-05-13 00:35 x
是非是非この「くさいはうまい」を読んでみたいとおもっていました。
これの英訳無いかな?主人に読ませたい!(笑)日本に帰りったらすぐにこの本ともやしもん、絶対にゲットです。(姉にもやしもん頼んだのに忘れたんですよ)ところでこの京都の筍はいつまで食べれますか?今月の終わりに帰るんですが、もう終わりかな?間に合えば良いのだけど、、食べターイ!このバナナは焼いて食べるんですか?キューバの食べ方は焼くんです。お芋みたいです。同じ種類かな?また連絡しまーす。
Commented by emilia2005 at 2008-05-14 01:15
においと臭いと匂いのお話、コレは私のツボをポチッと押しました。
私も文を書く時に、におい、ニオイ、臭い、匂い、香り、芳香…を
使い分けているつもりですが、一貫性がなくてその時の気分なんです。
同じ臭いでも、臭気と人間臭いでは、全然意味合いが違う。
日本語ってすごいなぁ(^^)
Commented by Rakurakurakuko at 2008-05-15 09:27
レイコさん、もやしもん読まれましたか~!
あそこに出てくるキビヤック、衝撃的ですよね~。(笑)
この「くさいはうまい」もそんな「もやしもん」と合わせて読むとなんだか自分の中であの漫画のあの画面がよみがえってきたりして二倍おもしろく読めました。
ほーんと、臭いものはうまいんですよね~。
無臭ニンニクなんて何のために存在するのか私にはよくわかりません!
Commented by Rakurakurakuko at 2008-05-15 09:32
アヤナーさん、この本英訳版が出ると良いですよね~。
日本の昔からある発酵食品もとってもわかりやすく書かれているし、そういう日本独自のものを紹介する意味でも素敵なことだと思うのだけど。
是非もやしもんとセットで読んでくださーい!

京都の筍、もう終わりかもしれません…。(泣)
この間KIKちゃんのを頼んだときに「週末は多分これが最後…」って言われたのです。
4月半ば過ぎくらいから出回るようですので、来年は是非それに合わせて帰国しませんか~。(笑)
アヤナーさんの分も注文しときますので♪

島バナナはこのままぶら下げて皮が黒っぽく熟れてくるのを待つのです。
酸味があるバナナなので好みなんですよね~。
ブランデーなんかジュッとかけて焼いて食べてもおいしいですよね。

私もメールしまーす!
Commented by Rakurakurakuko at 2008-05-15 09:36
emiliaさん、ほんとにどうしてでしょうね~。
「臭」という字にはなぜか良くないイメージがつきまとっていますよね。(おやじ臭なんていうのもあるし…笑)
でもこれを読むと臭いってことにはそれなりに意味があって悪いことばかりじゃないんだーということを感じます。
よくよく考えてみれば、納豆だってニンニクだってたくあんだってそのにおいはそれ以外にはあり得ない臭さ!
匂いって言うとふんわりと漂う感じですが、臭いというと強烈な個性を感じます!!
臭いものって自己主張の強い個性的なものってことですね。
by rakurakurakuko | 2008-05-11 02:34 | 楽子の本棚 | Comments(18)