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薬師寺~きみには晴れた青空が似合う~

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奈良と言うのは歩いて回るのにとても便利な街で、奈良の有名な観光どころのほとんどが奈良駅から歩いて行ける奈良公園周辺に集まっています。
なのでどうしても「ちょっくらブラブラする?」となると奈良公園へ足が伸びる我が家ですが、今月初めの文化の日、この日は快晴でとても気持ちが良い日だったので、ちょっと足を伸ばして西の京方面に行って来ました。

足を伸ばして…と言っても、西ノ京は電車で言うと、近鉄奈良駅の二つ手前の大和西大寺にて近鉄橿原線に乗り換えて二つ目の駅ですし、奈良から西ノ京へはバスの便も良いようですので、地元民も観光客にとっても行きやすい場所。
されどこのちょっと足を伸ばしたそのストライドが、のんびり感たっぷりの場所と時間を作り出す!!

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もともと奈良公園周辺だってびっくりするほどのんびりしているんだけど(笑)、ここ西ノ京は駅を降りるとそこは典型的な日本の原風景。
家からほんの少し電車に乗ってきただけの場所とは思えないほど。
いいですよ~。(*^_^*)

まずは薬師寺へ向かいましょう♪と言うことで、電車で来た場合には西ノ京の駅から歩いて近い北側の門から入るのが一番の近道。
ですが、今回私たちは南側の駐車場そばのAMRIT(ここに関してはまた後ほどの記事にて♪)に寄りたかったこともあり、てくてく、てくてくと歩いて南側から薬師寺に入る事にします。

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薬師寺の南側にある、こちらは休々岡八幡宮
古来より薬師寺へ参拝の際は、御鎮守様である休々岡八幡宮に詣で、身を清めてからと言う作法が伝えられているとのこと。
うふふ、知っててこちらから詣でたわけではないですが、遠回りして南から回ってよかったわ♪

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休々岡八幡宮を出て真っ直ぐ参道を歩いていくと、見えてきた薬師寺
平成10年にユネスコより世界遺産に登録。
薬師寺は天武天皇9年(680年)、天武天皇の発願により、飛鳥の藤原京(奈良県橿原市城殿(きどの)町)の地に造営が開始され、平城遷都後の8世紀初めに現在地の西ノ京に移転。
興福寺とともに法相宗の大本山であり、南都七大寺のひとつに数えられています。

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早速南門より薬師寺内に入ります。
天気にも恵まれ、また秋は奈良にとって観光客がもっとも集まる時期なので、門の外から覗いただけでも中の賑わいが感じられます。

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こちらは南門を通り抜けた先の中門の両脇に立つ、二天王像
享禄元年(1582)の兵火により中門とともに焼失し、その後約400年復興をみることがなかったこちらは、平成3年(1991)に復元復興されたもの。
そう、奈良時代の建物及び仏像と言うものは、兵火によって焼かれてしまったものがとても多い…。
ここ薬師寺の建物も例外ではなく、一つを除いては全て兵火によって焼失し、その後復元されたものなのです。

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そんな二天王像が両側を守る中門から見た、正面の金堂。
圧巻の大きさときらびやかさと存在感!

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中門からはこの金堂をくるりと取り囲むように、西に東に色鮮やかな回廊が伸びています。

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そんな回廊では、修学旅行生と思われる学生の面々が、薬師寺の僧侶から説明を聞いていました。

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こちらは金堂の西側に建つ、西塔
昭和56年(1981)に復興。
特徴はこの奈良らしい色使い。
塔の連子窓(れんじまど)に使われている色を「青(あお)」色、扉や柱に使われている色を「丹(に)」色と呼び、万葉集にも
あおによし ならのみやこは さくはなの におうがごとく いまさかりなり
と歌われています。
この「青丹よし」は奈良の枕詞ですよね~。
このあおによしのならのみやこには、やっぱり澄み切った青空が似合う!!

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そしてこちらが金堂を挟んで反対側に建つ、東塔
薬師寺で唯一創建当時より現存している建物。
一口に1300年と言うけれど、1300年間失われることなくその姿を保つというのは本当に大変なことなのだなぁと思います。
西塔をはじめ青丹色に輝いている薬師寺の建物群の中で異彩を放つかのような東塔。
一見、六重の塔に見えますが、実はこちらは三重の塔。
これは各層に裳階(もこし)と言われる小さい屋根があるためで、この大小の屋根の重なりが律動的な美しさをかもし出し「凍れる音楽」という愛称で親しまれています。
なんて素敵な表現なのでしょう!!!
青空が似合う薬師寺だけれど、この凍れる音楽を墨絵のような真っ白な雪景色の中で楽しみたいような、そんな気持ちにもなりますよねぇ。

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(写真提供:ミッキー)
実はこの東塔見たさに今回薬師寺に来た私たち。
1300年前からずっと奈良の姿を見続けてきた凍れる音楽と呼ばれるこの塔は、その姿を後世に伝えるため、この秋より本格的な解体修理に入るのです。
去年の秋より調査のための足場が組まれていたのですが、遷都1300年祭と言うことで一度それが外され、11月より解体修理が再開。
10月中に来ようと思いつつ11月に入ってしまいましたが、まだ足場は組まれておらず、何とか間に合いました。
これから10年間くらいこの姿を見ることは出来ないだろうといわれているほど、本格的な解体修理となるようです。

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左右の塔から離れまして、こちらは金堂前に立つ、六角(多分…汗、それとも八角?)灯籠。
只今、国宝東大寺の八角灯籠は東京に貸し出されていますが、ここのは健在!
こちらの灯籠にも東大寺と同じく音声菩薩が描かれていますよね~。
凍れる音楽を静かに奏でているのかもしれません。

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さぁ、金堂の中に入るといたしますが、人、いっぱいですね…。

この金堂に納められているのは、国宝、薬師三尊像。
薬師如来はまたの名を医王如来ともいい、医薬兼備の仏様。
薬師瑠璃光如来(上の写真で少しだけ中央に見えているのがそれです)を中心に、向かって右に日光菩薩、向かって左に月光菩薩がお祀りされています。
以前、新薬師寺を訪ねたときに、薬師如来と言うのは現世の私たちを守る仏様と言うことをお聞きし、「やっぱり極楽浄土より今が大事よね~」と思う私は薬師如来に惹かれているんです。(笑)
薬師如来って私のすごく数少ない経験では顔に特徴があり、ここの薬師瑠璃光如来もそのお顔には愛嬌たっぷりで親しみやすく、そんなところもいいわ~と思うのですよね~。
で、それもかなり良いのですが、なんと言ってもこの三尊像の中でのお薦めは、月光菩薩。
腰のラインがなんとも艶かしくてたまらんのです。
フツーのおばちゃんである私がそう思うのですから、世の男性方でしたら尚更かと。
是非たくさんの方に見て、1300年前から続く色っぽさを感じていただきたい♪

ちなみに薬師如来だけではなく、ここではなんとその台座も国宝!
後ろ側からその国宝である台座をじっくりと見ることが出来るようになっているのですが、その文様と言ったら美しいだけではなく、なんともグローバルなんですよ~。
ギリシャの葡萄唐草文様から、ペルシャの蓮華文様、そしてインドから伝わった力神の裸像が浮彫りされているかと思えば、中国の四方四神の彫刻があり。
今でさえ、飛行機でビューンとあちこちに飛ぶことが出来たり、ネットを通じて各地のことがリアルタイムで手に取るようにわかったりするけれど、1300年前の世界観って今とは比べ物にもならないはず。
そんな国が場所が存在することすら知らない一般庶民も多いと思われる1300年前に、それらの文化を取り入れて現していたって、やっぱり只者じゃぁないですよね~。
ここは、皇室が作った本当に特別なお寺なのだわぁと実感。

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(写真提供:ミッキー)
そんな金堂を中門の反対側の後から眺めた図。
西塔、東塔を携えた金堂のその荘厳なこと、この上ない!
龍宮造りとも呼ばれる、この金堂を中心に東西両塔、行動、回廊が立ち並ぶこの薬師寺の大伽藍は、当時は南都七寺の一つとしてわが国随一の壮美を誇っていたそうです。

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(写真提供:ミッキー)
伽藍を奥に進むと、金堂の後ろに建っているのはこちらの大講堂
正面41m、奥行20m、高さは約17mあり伽藍最大の建造物です。
講堂が金堂より大きいのは古代伽藍の通則で、これは南都仏教が驚愕を重んじ講堂に大勢の学僧が参集し経典を講讃したためだとか。
こちらには弥勒三尊像(重文)の他、国宝である仏足石が納められています。
仏足石とは、インドに仏像がなかった、お釈迦さまがお亡くなりになってから約3~400年の間、仏さまを形に現わすのは勿体ないことであるとの考えがあり、代りに仏さまの足跡を石に彫ったもの。
こちらの仏足石は、天平勝宝5年(753)に刻まれたことがわかる日本最古の仏足石です。
そしてその仏足石を中心に右と左には、釈迦十大弟子の像が立ち並んでいます。
十人の弟子の方たちのお顔と言うのがなんとも厳しく伝えるものも多く、きらびやかな建物とは対照的に感じました。

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この伽藍以外にも薬師寺の敷地と言うのはまだまだ広く続き、一度北の受付を出てまた新たなる敷地に入るような感じになります。
途中、お庭もきれいに整えられており、まだ少々早かったですが紅葉も始まり優雅なお散歩気分♪

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ずんずん歩いてふと振り返ると、こんなに小さく東塔が見えました。
まだまだ先に進みます。

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こちらは玄奘三蔵(げんじょうさんぞう)院伽藍の入り口。
玄奘三蔵は、『西遊記』で有名な中国唐時代の歴史上の僧侶、三蔵法師です。
薬師寺は玄奘三蔵と深いご縁のあるそうで平成3年(1991)玄奘三蔵院伽藍を建立それました。

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こちらが玄奘塔。
中には玄奘三蔵像が祀られています。

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ここは、伽藍内の石畳が大変美しく、思わず見入ってしまいました。
いろいろな国の文化が合わさった、そんな文様だと思いませんか~。

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そして平成12年(2000)より、平山郁夫画伯が入魂された、玄奘三蔵求法の旅をたどる「大唐西域壁画」が玄奘塔北側にある大唐西域壁画殿にて見ることができます。
とても大きくて見ごたえのある壁画。
ここ、薬師寺ではこの平山郁夫さんの作品の他、この日一日だけでもたくさんの絵画を見ることが出来ました。
同じ玄奘三蔵院伽藍内の回廊の壁に飾られていた、奈良県の大和郡山在住の、影の存在感が素晴らしい仏像の影絵を描かれる作家の方の展示や、大講堂を出たところにある建物で行なわれていた、確かベトナム在住の、ベトナムや奈良の風景を描いた女性の版画作家の作品の展示など、たくさんの素晴らしい作品を見ることが出来たのです。
勿論、別料金なしに薬師寺に参拝された方はどなたでも見ることが出来る、そんな展示。
ここ薬師寺の管主さまは「まほろば塾」を全国各地で開催されていて、メディアへ出る機会も多いので、きっと各分野でのお付き合いも広いのでしょうね~。
そんなところからいろいろなものをこうして拝見することが出来るのではないかな~と思いつつ、楽しんで薬師寺を後にしたのでした。

さぁ、まだまだ西ノ京散歩は続きます♪
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by rakurakurakuko | 2010-11-23 14:21 | こんなところに行って来ました