2016年夏 モルディブ エンブドゥ3

ダイビング三昧にて過ごすためには、まず初日のチェックダイブが必要となります。
島の周りがすべてダイビングポイントとなっているエンブドゥですが、二大ポイントと言えば、島の表玄関となるメイン・ジェティと、島の裏側になるコーラルガーデン。
今回のチェックダイブは、メイン・ジェティ横にて行い、その後はそのまま自由に潜ります。

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すると、目に付いたのは、白化しているサンゴ。

一見きれいにも見える真っ白なサンゴですが、これはサンゴから「褐虫藻」(かっちゅうそう)が逃げ出してしまい、瀕死の状態。
サンゴと言うのは植物みたいですけれど、実は動物。
「褐虫藻」と言う光合成をする植物の一種を体の中に飼っていて、その褐虫藻から栄養を取り込んでいるのです。
海水温が異常に高くなると、その褐虫藻がサンゴから出て行ってしまい、そうするとサンゴは栄養を取り込むことが出来ず、また今までは褐虫藻の色が透けて緑色などに輝いていましたが、褐虫藻がいなくなると白くなってしまうのです。
栄養を取り込むことが出来なくなり、白くなってしまったサンゴがどうなってしまうかと言うと、このままの状態が長く続くとサンゴは死んでしまうのです。
これはとっても危険信号!

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こちらのクマノミがいるイソギンチャク。
きれいではあるけれど、なんだか色がヘン!
もしやこれもサンゴと同じく白化現象なのでは…。

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やはり調べてみると、イソギンチャクもサンゴの仲間ですから、褐虫藻が住んでおり、サンゴと同様に白化現象が起きるのだそうです。
ただし、サンゴが比較的短い時間で死んでしまうのとは違い、イソギンチャクは白くはなるものの、そのまま生きて、褐虫藻が戻ってくれば何事もないようにまた色を取り戻すのだとか。

しかし、大変に心配だ…。

エンブドゥが好きな理由の一つは、ハウスリーフと呼ばれる島の周りのサンゴ礁がとっても美しいこと。
特に、島の裏側のコーラル・ガーデンは、その名の通り、一面の美しいサンゴにたくさんの魚が群れ、まるで箱庭のような、穏やかで明るくて美しく優しい、私のお気に入りのポイント。

さて、ダイビングの準備していると、Riseyがどこに潜るのかと聞くので、「コーラル・ガーデンに潜ろうと思っている」と言うと、なんとなくもごもごとしたような感じで「アウトリーフまで行けばいいよ…」と言うではないですか。
「ふーん、潮の流れなどの関係で、リーフの内側は今は良くないということかな」と思いながら、でもなんとなくもごもごな感じが気になりつつ潜った夢の世界コーラル・ガーデン。

ただ、ただ、愕然としました…。

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あの美しかった輝くようなサンゴがいっぱいだったコーラル・ガーデンが、まったくのガレ場と化しています…。
サンゴが白化しているなんて言う状態を通り過ぎ、サンゴが本当に死んでしまっています…。
白くなっている状態で、海水温が下がればまた元に戻るけど、こんな風になってしまったらもう元には戻らない…。

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写真の左側のサンゴの右端はまだ白いので生きているけれど、そこを残して大半はもう死んでしまっています。
その奥のサンゴはまだ白くもならずまだ元気だけれど、右側のサンゴも白化が進んでいます。

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もうあたり一面そんな状態で、でもそんなガレ場にも関わらず、魚たちがたくさん群れているのがいじらしいような。

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夫と二人、水中で、ただただ呆然としてしまった…。
チェックダイブのときのメイン・ジェティで見た白化したサンゴなどはまだまだ序の口だったのです。
メイン・ジェティのほうがまだ潮の流れがあるので、海水温が多少は低く保たれているのでしょう。
流れもあまりなく穏やかなコーラル・ガーデンは、その穏やかな分だけ被害が大きい…。

本当に、本当にこれはショックで、昨年まではあんなにきれいだったここがこんなことになり、あのときのあの海が見納めだったのかと思うと本当に悲しくなりました。
ここを潜ったこの後、夫と二人で呆然とし、この一年の間にここで何が起こってしまったのだろうと、そしてここまでになってしまうともう何十年も元に戻ることはないだろうということ、とても楽しみだった大好きなコーラル・ガーデンがもうないこと、そんなことを考えて、もうここに来る意味はないのではないかとまで思って、まだ午後もそんなに遅くない時間だったにも関わらず夕方までしょんぼりと部屋の前で何をするでもなく過ごしてしまったほど。

しかし、ここコーラル・ガーデンだけの問題ではなく、モルディブの海だけの問題でもなく、実はこの夏、世界中の海で同じようなことが起こっているらしいことを帰って来てから知りました。
先日、テレビで言っていたことによると、あの世界最大の珊瑚礁と言われるオーストラリアのグレートバリアリーフでは、なんと90%のサンゴが白化または死んでしまい、どのくらいかはわかりませんが沖縄でも白化が止まらないらしい。
あのモルディブの海が…とかそういう問題ではなく、地球規模の気象状況による悲しい現実なのでした。
今、日本では台風がこれでもかと言うくらいにやってきて、あちらこちらで大変な被害になっているけど、そんなときに不謹慎な発言かもしれないけど、台風が来ると深い海の冷たい海水が押し上げられてきて海の中がかき混ぜられて海水温が下がるので、もしかして沖縄あたりでは瀕死の状態から立ち直ったサンゴもあるのかもしれないと、そんな期待もしているのですが。

とにかく世界中のサンゴがどれだけ踏ん張れるか、それを見守っていくしかない!

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悲しすぎてあまり撮ることの出来なかったコーラル・ガーデンの姿だけれど、でも周り中こんなガレ場でも、がんばって踏みとどまっているサンゴだっているんだ!

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悲しい姿になってしまった枝サンゴには、前と変らずデバスズメは元気に群れ、

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ガレ場のサンゴの間から人懐っこく顔をのぞかせるコクテンフグは心なしか寂しそうだけど、でも何かを訴えたいようなそんな目をしています。

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そして、1本目のコーラル・ガーデンではあまりのショックで見ずに戻ってきてしまったけれど、とっても心配だった、これまた大好きなポイント、白い砂地のクマノミの根。
ちゃんと、ありました!!
ちゃんと生きてました!!

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後ろから見るとやっぱり大変な状況になっちゃってますが、まだここのイソギンチャクは白化してないし、クマノミだってこんなにたくさんいるんだから、きっと大丈夫。

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人が近づいても逃げない、のんびり屋のここのカメもがんばれ!!

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岩の間にごにょごにょと群れるキンメモドキもね、仲間がいっぱいいるから大丈夫だよね。

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カスミアジも相変わらず元気にキビナゴの群れに攻撃かけてるし!!

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キンギョハナダイもひらひらと優雅に舞っている!
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黄色いラインを光らせながらウメイロモドキもものすごい速さで横を通り過ぎて行き、

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そして、コーラル・ガーデンでもメイン・ジェティでも同じところにいつもいるヨスジブエダイも、あなたたちはやっぱり仲間が多いから、そして統制がとれているし、がんばれるよね。

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よくよく見ると、気合が入り目力に圧倒されそうなのもいれば、ヌボーっととぼけた目で群れの中にいるのもいるけど、ヌボーッとした目の下の方にいるあなた、時々は気合入れてがんばりなさいね。

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あちらこちらで大きな群れになっているキュートなハタタテダイも、きっと見かけ以上にしぶとく生きていくでしょうし、

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アウトリーフに出るところでいつも大群でものすごい速さで現れては目の前を行き過ぎていったグルクン。
今回はこれがとっても少なかったけど、でもここの人たちは沖縄の人と違ってそんなにグルクンを捕って食べることもないように思うので、その分がんばってこの地で生きるのだよ。
どうかいなくならないで。

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たくさんの人を楽しませてくれる、海の中とその生物たち。
どうか、どうか、この正念場で踏みとどまってくれますように!!

モルディブをはじめ海水温上昇によるサンゴの白化についてはこちらに詳しくあります。
こちらの記事にはちょっと勇気づけられました。
http://www.kagaku-kentei.jp/news_detail/data/196


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Commented by eblo at 2016-09-09 03:27
私も見てきました。
山に雪が積もっているような景色も。
沖縄もだいぶ進んでしまっているようですね。
でも、自然の回復力は人間より強い。
東北の海もかなり元の状態に戻っているらしいし。
三宅島の海も綺麗でしたよ。
来年は無理でも数年後にはきっと戻っていると、そう信じましょうよ。
私は老人だから分からないけれど、楽子さんは元のモルディブの海で潜れますよ。
Commented by jolly at 2016-09-10 12:10 x
先日エンブドゥから帰って参りました。今年は去年と打って変わり、毎日雨or曇…。太陽見れたのは滞在中2回程でした。
コーラルガーデン、私も愕然としました。我が家はシュノーケルしかしないんですけど、どこも白化したサンゴばかり。
1年前はあんなにキラキラしてたのに。
でもお魚たちは元気そうで、今回も戯れてきました!
Commented by rakurakurakuko at 2016-09-11 11:50
ebloさん、やはりebloさんの行かれたところでもそうでしたか…。
エンブドゥのハウスリーフは白化を通り越して死んでるサンゴも多々あったので、かなり厳しい状況でした。
自然の回復力を信じるしかないのですけど、でもあの光景はやっぱりかなりショックで悲しかったです。
私も果たして復活した海を見られるかどうか…。
あはは、かなり年いってます。(笑)
Commented by rakurakurakuko at 2016-09-11 11:53
jollyさん、エンブドゥからお帰りなさい♪
あぁ、毎日続く雨…。
おととしの私たちがまさにそれで、まぁそれもいいと思いつつまったりと過ごしましたけど、でもやはり海の中は暗くてそれがちょっと残念でした。
コーラルガーデンのあの景色、愕然としますよね…。
本当にたったの一年で、あんなに早いスピードで変わってしまったなんて…。
来年も行くことが出来たら、その後をしっかりと見なくてはと思っています。
まずはご無事のお帰り&たくさんの魚たちとの再開、良かったですね。
Commented by きぬえ at 2016-09-11 21:08 x
楽子さん、、、
テレビのニュースで見るのとはまた違った、
大きなショックに打ちのめされました、、、
Commented at 2016-09-18 21:35 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented at 2016-09-20 20:33 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by rakurakurakuko at 2016-10-02 00:30
きぬえさん、実際にこの光景をみてしまうと、かなりショックでした。
今まで死んでしまった珊瑚はたくさんみて来ましたが、このスピードは今までにないくらいで、本当にどうなってしまうのだろうかと心配です。
Commented by tomo at 2016-10-24 14:24 x
はじめまして。私も9月にモルディブ(バタラですが)に行ってきて大きなショックを受けました。毎年通っていたのですが、去年までのサンゴの楽園のようなハウスリーフが一転 サンゴのガレキの山になっていました。あまりのショックに ほんとうに呆然としてしまいましたが モルディブ人スタッフが、今はチェンジのとき、だから心配ないと言っていた言葉を信じて、時間はかかるかもしれないけど、自然の復活力を信じていきたいなと思いました。
Commented by rakurakurakuko at 2016-10-29 13:10
tomoさん、はじめまして♪
やはりバタラも壊滅的でしたか…。
きちんと情報を仕入れて行っていればまだショックは少なかったのかもしれませんが、私などのんきに何も知らずに行ってしまい、本当に唖然としてしまいました。
でも現地のスタッフが復活するといっているのですもの、大丈夫ですよね。
私もそれを信じて、これからもモルディブ通いしたいと思います♪
Commented by tomo at 2016-11-04 11:45 x
はい、私もモルディブのサンゴの復活を信じて、通い続けたいと思っています。エンブドゥも以前行ったことがあり、ハウスリーフが楽しかったので、また行ってみたいと思っています。
Commented by rakurakurakuko at 2016-11-06 14:03
tomoさん、そうですよね、復活していく様を見たいですもの~。
エンブドゥも行かれたことがありましたか!
我が家ではエンブドゥのハウスリーフに魅せられ、そして料金的にもお財布に優しいので、もっぱらここのところはエンブドゥばかりです。
by rakurakurakuko | 2016-09-09 01:39 | 南の島 | Comments(12)