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金継ぎ部卒業しました♪

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昨年6月より習っている金継ぎ。
R」にて行われる堀道広先生西麻布金継ぎ部は、大体5回で終了するワークショップ。
6月から9月で第一弾の3つの器のお直しが終わったのですが、まだまだ教えてもらいたいことが満載で、ちょうど終わる直前に器が割れてしまったり、タイ料理の橋本先生より割れた器をお預かりできたりしたので、もう1クール習うこととした金継ぎ教室。
その2クール目が先月終了しました。

今回繕ったのは3つ。

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まず一つ目は、ごろんと厚めの益子焼のお皿。
結婚してすぐの頃に益子で買い求めたもので、少しだけ色が違う同じ大きさのものがもう一つあり、大きさもとても使いやすく普段の食事によく使っていたもの。
ぱりんと派手に割れています。

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まずは割れている部分をルーターで軽く削ってから、生漆を塗って拭き取り、小麦粉と水を混ぜて練ってから漆を加えてまた練って麦漆を作り、その麦漆を割れた部分の両方に塗って破片同士をくっつけます。
これがね~、意外と大変でして…。
益子焼は重いので、くっつけてから他の箇所に取り掛かろうとそのまま置いておくと、重さでまた破片同士が取れてしまう…。
取れてゴロッとテーブルにぶつかる音がしたりして、先生に「○○さん、大丈夫ですか~」と言われるも、えぇ大丈夫じゃないんですよ。
おまけに小さい破片同士をくっつけてから最後に大きいものとくっつけるようにするのがコツと聞いたばかりなのに、なんだか順番を間違えて先に大きいのをくっつけてしまったために破片が入らなくなったりして、一度しっかりマスキングテープで固定していたのを「少しならテンション緩めてもいいですよ…」と言われ、テープを張りなおしたりして、結構大変でした。
初めての割れのお直しで重くてそこそこ大き目の器と言うのは、結構難しいものだなぁ。

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もう一つは、橋本先生がお預かりした器。
同じく割れ。

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同じ手順で進めていきますが、こちらは器の厚さも薄く重さもそんなにないので、益子焼の後には楽々に思えた!
ものすごくぴったりとくっついたような気がします。
破片の数も少なかったので、はまらなくなるということもなかったし…。(笑)

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3つ目は、一箇所欠けてしまった器。
麦漆に木粉を加えた刻苧漆を欠けた部分にヘラで塗り、形を整えます。
この刻苧漆がなかなか欠けの部分にくっつかないのだけれど、前回なんとなくモリモリに塗ったらその後削ってもなんとなくその盛り上がった部分が器と馴染まず、最後までなんとなく滑らかなラインにできなかったので、今回は多めに塗るものの、器のラインとできるだけ馴染むように気をつけました。

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二週間後の二回目、ごろんと破片が落ちてしまったり、破片がはまらず無理やり少しはがしたりした益子焼も何とか無事くっついていた!
よかった~♪
はみ出していた麦漆を削ってみるとよくわかるのですが、くっついてはいるものの、まったく滑らかではないので、足りない部分を砥の粉と水を混ぜ合わせてから生漆を混ぜ合わせて作った錆漆で埋めていきます。

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錆漆で全部埋めたのがこの状態。
器の厚さがあるからか、はたまたくっつけ方があまり上手くなかったからか、何箇所か少し段差を感じるところがあったので、段差をなくすべくその部分にも滑らかになるように錆漆を塗っていきます。
二回目はここで終了。

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橋本先生の器も同じように麦漆を削ってから錆漆で足りない部分を埋めていきます。
ものすごくきれいに、足りないところなんてないように思えていたこちらの器も、やはり少しはへこんでいるところがあるんですね~。
でもこちらはこの後線も細く引けそうで、楽しみ。

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3回目、錆漆を水をつけた紙やすりで削っていき、滑らかになったところで、その線に沿って呂色漆で線を描いていきます。
この線がね~、前回のお茶碗のときにはものすごーく太い線になってしまい、途中で削って整えたりもしましたが、結局最後までこの最初の太さが尾を引いて、いまひとつきれいに出来なかったので、今回はものすごく集中して、細くきれいに線を引けるようにがんばりました!
とは言え、この益子焼のお皿の場合には、やはり厚みのある分だけ、割れ目の破片の間に隙間があるので錆漆で埋めた部分が多く、その部分は線が太くなるのですけどね。
そういうところはかすれたりしないよう、また線がぼてっとしたり段々になったりしないように気をつけて引きました。

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こちらは橋本先生の器。
これはね、自分でもすごーく上手に呂色漆の線が引けたと思う。
堀先生にも「○○さん、すごーく上達しましたね!まるでプロみたいです。」と褒められました♪
しかし、周りの方々の器を見るに、大体私と同じような線を引かれていたので、多分前回と比べてと言うことで、前回がかなり問題ありだったのだなぁ。(苦笑)

この後、4回目で一度引いた呂色漆を紙やすりで削って整えて、またその上から呂色漆を塗るという作業を繰り返し、第5回目。
同じように呂色漆の線を削って整え、金を蒔くものは弁柄漆で線を引き、銀を蒔くものはもう一度呂色漆で線を引きます。
うう…、4回目まではとっても上手くいっていた漆の線が、ここで上手くいかなかった…。

割れた器は表も裏も漆で線を引くので、先に表の線を引き裏側の線を引くときには表側の線を触らないようにしていたのに、このあと金を蒔く、銀を蒔くというところに気持ちがいってしまっていたからか、なんと一度引いた線を触ってしまって乱してしまった…。
あぁ、せっかくきれいに引いた線が~~~。
せっかく褒めていただいたあの線が~~~。

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しかしもうこのまま進めるしかない!
この辺りが時間が限られているワークショップの辛いところ。
今回は迷わず決めていたので、益子焼には銀を、赤い器と欠けの器には金を蒔くこととしました。

それにしてもここで思ったのは、金はすごいってこと!!
このワークショップでは金以外の銀とか真鍮とか、はたまた漆で仕上げる場合には、レッスン料にすべて含まれているので追加料金はかかりませんが、金はオプションなんですね~。
0.2グラムずつ和紙に包まれた金。
その量たるや、なんとまぁ少ないこと!!
拭けば飛ぶような量。
くしゃみをしないように気をつけて、でも時間がないので半分は先生が蒔いてくださったりして、どんどん弁柄漆の上から真綿で金を蒔いていくのだけれど、弁柄漆を塗ってからあまり時間が経っていないということもあり、0.2グラムなんて量の金はどんどん、どんどん、弁柄色の中に沈んでいくのですよ…。
あぁ、まだ裏側だけしか蒔いてないのにほぼなくなる…。
いやー金ってホントに効果なものなんですね。

その点、銀はもう少し気軽に使えます。
蒔くのも真綿ではなく毛棒だし、たっぷり蒔いて後から拭き取るような感じ。
緊張感が全然違う!

そして最終回。
今回もあれこれいろいろありましたけれど、蒔いた後をメノウで磨いて艶を出し、無事完成しました。

あー、大変だったけど楽しかった~~~!!
やってみればやってみるほど疑問も出てきて、またこうしたらいいんじゃないかと思えることも多く、できることならまだまだ何回もワークショップに参加したいところなんですが、やはり今回で一度は卒業することにしました。
どうしてもここに来てると先生を頼ってしまうし、麦漆とか錆漆の配合とかもお任せしてしまうしね。
そういうことを自分の力でやってみたくて、後はやっぱり自宅で行えば、漆を乾かす時間とかちゃんと取れるので、良い状態を見極められればきれいに仕上げられると思うのです。

と言うわけで、今回の器をおうちに持ち帰り、まずは金継ぎ部卒業しました。

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こちらが金継ぎ部を卒業しましたの賞状。
いいでしょ~。
おおらかに修了した印。

お直し修了した器たち。

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割れた益子焼の分厚いお皿を銀継ぎで繕いました。
実は塗り残しがあるのだけれど、最初はそれをこの上からお直ししようかとも思いましたが、意外と使ってみたら気にならなかったので、とりあえずはこのままで使おうかと。

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橋本先生からお預かりした器は金継ぎで繕いました。
あー、これ、最後の弁柄漆の線を触ってしまったりしなければ、もっとすっきりときれいな線になったのになー。
でもまぁ、思ったよりも金も沈まずきれいに出来たし、まだまだ二回目なんだからこれでいいかと。

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表からだとよくわからないので、裏側から。
欠けた器を金継ぎしました。
こういうワンポイントの金はとっても素敵♪
弁柄漆を塗ってからほとんど時間を取れずに金を蒔いたし、弁柄漆も少し厚めになってしまったので、縮みが出ているけど、まぁそれもご愛嬌。
満足な仕上がりです。

さて、これらの器。
早速使ってみました。

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益子焼きには、蒸しささみの柚子味噌がけと、ほうれん草としめじのソテーを盛り付けました。
ほっほー。
これにはとっても気づきがあった!
繕いをしている間中、私は漆の線を細く引くことばかりに気を使っていましたが、普段使いのこのような器の場合、もちろん線がきれいに引けていることは必須ですけれど、今流行の細い線だけが良いわけではないってことに気づきました。
特にこうした土の香りがするような器には、メリハリのある太目の線がよいのでは。
第一、普段使いするのだから強度も大切だし、いくら景色がきれいでも(金継ぎなどをした器の線などを景色と言って鑑賞したりします)、ただ飾っておくのではないのだから、こうして盛りつけた状態でナンボなのではと思う次第。
やっぱり使ってみなければわからないなー。

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橋本先生の器も、橋本先生の了承を頂いて、一度お料理を盛りつけて使わせていただきました。
盛りつけたのは里芋の煮付け。
これはなかなか良い感じ♪
里芋がちょっとごりごりで色があまりきれいでないのがちょっと残念~ですが、器と金継ぎの線のバランスとか、里芋を盛りつけたときの見え方とか、とても好きです。

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欠けを直した器には、しめ鯖を盛りつけてみました。
表側から見るとどこが欠けているのかわかりにくいですが、右下の方にちょっぴり金が見えてます。
こういうポイント使いの金ならば、日常の器にもしっくりきますね~。
痛々しさもまったくなく、欠けた部分がチャームポイントになったような、そんな器。
自分で〆たしめ鯖もとってもおいしかったの~♪

やっぱりね、使ってみるといろいろわかることが多いです。
多分これからもいろんな器を継いでいくと思うのだけど、日常使いの器の雰囲気を壊すことなく、また料理を盛りつけたときに自然な感じに溶け込んで、そして強度も保てるような、そんな繕いをしたいなー。
金属を蒔かずに漆で仕上げるのもやってみたい♪
楽しみだわ~。

これから自分でやってみてどうなるか。
今年はがんばるっ!!
…と、今のところ気合入ってます。(笑)


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by rakurakurakuko | 2017-02-06 19:19 | 金継ぎ