金継ぎ#12~#15 北海道からやってきた器たち

さて、今年最後の金継ぎの記事。
最後のって言っても、3つくらいしか記事ないけど105.png

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今年の初め頃、北海道より4つの器が届きました。
器が好きそうなRさんに「欠けたり割れたりした器ないでしょうか」と声をかけたところ、ありますよ~と言うので、ずうずうしく直させてくださいなと頼んだのです。
湯呑み茶碗と叔母様が作陶された麦の穂の絵付けのサラダボウル、同じくキュートな虫が描かれた大皿、そして(スペインの大学なのかなぁ~の)大皿の壁掛け式オーナメント。
どれも素敵でどんな風に仕上げようかと想像が広がります!!

そんな風にワクワクした気持ちとは裏腹に、なんだかんだでなかなか取り掛かれず、実際に取り掛かったのは9月から。
あーごめんなさい…。
そんな4点の記録です。

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金継ぎ#12
湯呑み茶碗。
欠けが一箇所と、それにつながるヒビがあり。

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外側から見るとそんなに大きな欠けに見えないのだけれど、内側はこんな風に大きく欠けています。

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欠けが大きいので、まずは木粉と漆を混ぜた刻苧漆で欠けを埋めます。
刻苧漆はなかなか器にくっつきにくいので、サランラップなどで押さえるようにしてくっつけます。
二週間くらいしてから漆が乾いたのを見て、刻苧漆を器のラインに合うように削り、削ってみると足りなかったりする滑らかでなかったりする部分があるので今度は小麦粉と水で作ったペーストに漆を混ぜた錆漆をのせて、また乾いたら研いで器にそった自然で滑らかなラインができるようにしました。

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その後、黒の呂色漆で中塗り。
丸みを帯びた欠けとそこから伸びる線ってなんだかキュート♪って思うのは私だけでしょーか103.png

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この中塗りはこの後研いで滑らかにして、また中塗りをして…と言うのを2回ほど繰り返しました。
途中で、こうした縁の欠けの中塗りを乾かすときには縁の部分を下向きにしておくということを知りました。
あー前回の自分の湯呑みを繕ったときに段々繕い跡が大きくなってしまったのは、もしやこれが理由だったのかもしれません。
そんなに流れるほど漆を厚く塗っているつもりはありませんが、それでも知らぬ間に重力で下に少々流れてしまっていたのかも。

さて、この湯呑み茶碗。
金継ぎと言うと金属粉を蒔くものと思われがちですが、ポイントになっている小さな花と同じ赤い色の漆を塗って金属粉は蒔かずに仕上げることにしました。

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これが出来上がり。
弁柄漆仕上げ。
最初から弁柄漆仕上げにしようと決めてはいたものの、欠けの面積が広いため思っていたより赤が主張しすぎているようにも思えて、即決した割には最後に少し悩んだ!
この赤の仰々しさは気に入らない人がいるかも…。
しかし、他の仕上げを想像してみるに、やっぱり赤が合うような気がして、これで完成とすることにしました。

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内側はこんな感じ。
内側は水色の濃い部分が多いので、その色と赤がちょうどトーンが合うような気がします。

さて、こうして迷いに迷った弁柄漆仕上げ。
先日、器を返却したのですが、この湯呑み茶碗の金継ぎをRさんは一番気に入ってくださったのです!!
よかった~~~110.png
ほっと一安心。
お友達から頂いた気に入った湯呑みだったそうなので、またこれでほっこりおいしいお茶の時間を楽しんでいただけたら私も本望だな~。

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金継ぎ#13
小さな欠けが複数あるサラダボウルの繕い。

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ひとつひとつの欠けはこのくらい小さくて、ともすればR眼入っている私など見逃してしまうかもしれないくらい103.png
なのであまり目立たないような繕いが出来たらいいな~と。

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早速、欠けを錆漆で埋め、研いでもう一度滑らかに形付けられるように錆漆、そして研ぎ。
漆は乾くときに少々縮むので、やはり一度ではなく何度も同じ作業を繰り返すことが綺麗に仕上げるコツ。

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その後、呂色漆で中塗りを数回して、発色をよくするために蒔きをする前には赤の弁柄漆を塗って、その後、金丸粉を蒔きました。
金属粉を蒔くタイミングをつかむのが今まで難しかったので、今回は、器に漆を塗ると同時に要らないクリアファイルにも漆で何本か線を引き、30分後くらいから何度かそこに銀を蒔いて(金は高いので!)蒔き時を確認しました。
どんどん金が沈むでもなく、はたまた金がのりにくいわけでもない、ちょうど良いタイミングで蒔くことができた今回は、やはり仕上がりも滑らかですごく良いように思います。
この後、生漆で粉固めをして乾かして、磨き仕上げをしました。

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こちらが完成したサラダボウル。
控えめに光る金が、目立ちすぎずちょうどよいアクセントになったのではないかと思っています。
数箇所あるのでなんとなくリズミカルな感じですしね♪

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繕い跡のアップ。
粉固めをして少々渋い色になった金が、それでも凛と輝いていて、自分の今まで繕ってきたものの中でも一番良く出来ました。
やはり下地を丁寧に作るというのは大事なんだなぁ。
金は他の金属よりもずっと安定しているので、色が変わることもありません。
時々指でこすったりすれば尚光るかも!

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金継ぎ#14
大皿の壁掛けオーナメント。
大きな欠けが一箇所、その他小さな欠けが数箇所あります。

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大きな欠けはまずは刻苧漆で埋め、その後小さな欠けと一緒に錆漆→研ぎを2クールほど。

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中塗りをして研ぐを繰り返した後、こちらは真鍮粉を蒔くこととしたので、弁柄漆を塗りました。
下地のときも漆を塗ったときも結構滑らかに出来たな~と思っていましたが、こうしてアップで見ると少々厚塗りしすぎだしラインが滑らかになっていないのがわかるー134.png

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そして真鍮粉を蒔きました。
真鍮粉それだけで見るとそんなに気づかないのですけれど、やはり金と比べると真鍮は磨く前からピッカピカ!
このあと粉固めして少し色のトーンが落ち着きます。

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仕上がりはこんな感じ。
光の関係で、真鍮粉を蒔いた繕い跡の部分の色が上手く出てませんが、器に馴染むような感じになったように思います。
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アップで見ると少しわかるかな。
気になっていた厚塗りもなんとなく目立たないかも…。
よかった!!

真鍮は金とは違い、少しずつ変色します。
それが嫌な方もいるかもしれませんが、よくアンティークの真鍮のドアの取っ手とか、真鍮の匙とか、すごく良い色になっているものがあるではないですか。
そんな風にこちらのお皿も飾っているうちに良い具合に変わっていったらいいな~と、そんな色の変化も楽しんでもらえたらいいな~と思ったりしています。

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金継ぎ#15
叔母様が作陶された大皿。
小さめの欠けと細かい欠けがかなりの数ありましたので、まずは錆漆で埋めました。

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で、一回目の錆漆を研ぐときに、やはりどうしても気になったのが、多分焼成したときに出来たと思われるヒビ。
ヒビも味のうちなので、それもまた良いと思いましたが、大き目のヒビは埋めておいたほうが器には優しいというか長持ちさせることができるだろうな~と思い、迷いましたがこちらも錆漆で埋めてみました。
あーでもバランス的にはどうなんだろう…。

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錆漆を研いで、中塗りをしたところ。
錆漆をドンと置いたときにはどんなもんか…と不安でしたが、研いで最小限の面積となるとなんとなくなんとかなりそうな感じになりました。

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更に中塗りを重ねて、最後に錫粉を蒔きました。
その後生漆で粉固め、少し磨いて仕上げます。

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こちらが完成した器。
ちょうど器の色と錫の色が合って、繕い箇所は多いですがとても馴染んでいるようにも思えます。(何しろ初心者なので自画自賛失礼します129.png)

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ヒビのところも欠けのところもちょうど良い具合に光ってる!
錫粉は銀とはまた違う輝きなので、こうしたぼてっとした土を感じる器には合う金属のように思います。
欠けた箇所が多かったので、錫粉を蒔くタイミングが遅れやしないかと心配でしたが、何とか上手く出来上がってよかった~!

こんな感じの器のお直し4点。
今年の初めからお預かりしていたので、なんとか年内にはお返ししたいと思っており、なんとか間に合ったのでホッとしています。
どれも素敵な器だったので、直していてとても楽しかった!
Rさん、ありがとうございます。

今年の初めに、今年は10点は金継ぎをしたい!と目標を立てていたのですが、これでちょうど10点。
そんな目標的にもギリギリクリアです♪♪
また来年も、少しずつですが上達していけたらいいなーと思っているので、欠けたり割れたりした器をお持ちの方がいらっしゃいましたら、是非お声かけください♪
シロウトなりにがんばります!



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by rakurakurakuko | 2017-12-30 20:00 | 金継ぎ | Comments(0)